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第2回 老人ホームにかかる費用

在宅介護は施設に預けるより費用が抑えられるように思われます。 ただ、自宅で介護するにあたってリフォームを要することになったり、おむつなどの消耗品や病院にいくまでの交通費など、細かく見ていくとかかる費用は多くあります。 では、施設に預けた場合は、どのくらいの費用が必要なのでしょうか。 これも施設によって異なります。 ここでは、施設形態によってかかる費用の違いや主にどのような費用がかかるのかをまとめました。

かかる費用の比較

在宅介護の場合、特別養護老人ホームの場合、有料老人ホームの場合でどのように違いがあるのか、要介護3の方の場合、一例として下記の表のとおりになります。

在宅介護

介護サービス費 27,048円
家賃 0円
管理費 0円
食費 0円
その他 35,000円
合計 62,048円

特別養護老人ホーム

介護サービス費 23,340円
家賃 60,180円
(※)24,600円
管理費 0円
食費 41,760円
(※)9,000円
その他 10,000円
合計 135,280円
(※)66,940円
(※)低所得等の負担軽減適用の場合

有料老人ホーム

介護サービス費 20,130円
家賃 115,000円
管理費 98,000円
食費 54,000円
その他 10,000円
合計 297,130円
数字だけ見て、単純に比較するのは難しいですが、概算の予算の目安として見て頂ければと思います。

月額利用料の具体的な内訳について

初期にかかる費用は、入居一時金がある施設ならその分費用がかかります。 近年では、割合として入居一時金が0円という施設が多いです。 月額の利用料には、どういったものがあるのでしょうか。 詳しくまとめてみました。

居住費

すべての高齢者向け施設において居住費は必要になります。 いわゆる家賃のことを指しています。 居住費は、居室の広さや共有スペースの広さなどによって異なります。 他にも、施設がある場所、立地によっても異なります。 賃貸住宅を借りるのと同じようなイメージでしょうか。 また、施設によっては、電気代等の光熱費を含む場合や別項目で徴収する場合もあります。

食費

ほとんどの施設が食費は別途項目に設けて朝食・昼食・夕食の提供を受けた回数に合わせて料金を支払うシステムになっています。 また、イベントの際に提供される特別食は追加料金が発生します。また、1日3食以外におやつを希望すると別途「おやつ代」もかかります。

介護サービス費

介護保険の介護サービスを提供している施設では、利用者の介護認定の状況に応じた入浴や排泄・食事の介助などの施設介護サービスを利用することができます。 介護保険を使った場合、原則として1割(所得によって負担分が異なります)を自己負担分としてサービスの提供を受けた施設に支払います。 また、介護保険法で定められた介護・看護職員の配置人数を上回る手厚い介護・看護体制を整えている施設では、「上乗せ介護費」として自己負担1割(所得によって負担分が異なります)が必要になる場合があります。 一方、介護サービス等を施設で提供しない場合、外部の介護サービスを別途契約して利用します。

管理費・運営費等

施設によっては、「管理費」や「運営費」等の名目で利用料を徴収する場合があります。 これらの費用は、その施設の運営費用、共用施設の維持管理費、レクリエーションのための費用等に充当されることもあります。

このほかにも、利用者が必要とする日常生活費と呼べる支出が発生します。具体的には以下の通りです。
被服、履物費
日用雑貨など(オムツ代、洗剤、石鹸、歯ブラシ、その他)
理美容代
交通費、通信費
教養、娯楽費、冠婚葬祭費
健康・介護保険料、所得税、住民税
その他
上記に加えて、疾病やケガなどの治療・投薬などにかかる医療費についても別途必要となります。

まとめ

細かく見ていくと、多くの費用がかかることがわかります。 施設への入居をお考えの場合、概算で施設にかけることができる予算を出し、気になる施設が見つかれば、直接見学などをした際にかかる費用の詳細をしっかり確認することが大切です。